たのしい人生

7 月読んだマンガレビュー 19冊 〜雨でも晴れでも、欅姉妹の四季、好きな子がめがねを忘れた、女の園の星、など〜

といいつつ初の試みのため 6 月末から、Pixiv FANBOX での投稿をまとめたものになります。 日々の進捗等を記録しているので気になる方はぜひ FANBOX のフォロー、支援登録お願いします。

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くわばらたもつ先生「あなたと私の周波数」★★★★☆

百合という文脈というよりは、一般性の高い感情モノという感じ。重い話が多くて、感傷リスカやりたい場合にはおすすめ。

清水ひかり先生「ヒメゴト」★★★☆☆

絵がともかく綺麗で最高によい。お話としてはわりと大きな起伏なく進むのでエモは弱め。清涼水的読み心地。読後感も爽やか。

カノンノ先生「ショートショートショートさん」★★★★☆

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ショートショートショートさん (タカノンノ 2020 KADOKAWA pp. 34-35)

表紙の絵が好きで購入。思ったより顔芸マンガだった。そういう意味で人を選ぶかもしれないので注意。

ルックスは悪くなさそうなんだけど中二病をだいぶこじらせた感じの主人公の生活を 1 話完結のオムニバス形式で描く。内容は (いい意味で) しょうもない。ex. コンタクトを初めて目に入れるのにめっちゃ苦労する話など。

最近ちょっと疲れ気味だったのでそういうときに読むにはちょうどよかった。好評だったようで第 2 巻 (紙版) が 7/10 発売 予定 しました

宮原 都先生「一度だけでも、後悔してます。(1)」★★★☆☆

失業して家賃を滞納していた主人公 (女) が、滞納した家賃を大家 (女) に身体で返すことを求められて、しかも家賃免除の条件として同棲することになって…私この先、どうなっちゃうの〜?、というあらすじだけを書くと身も蓋もない作品。

実際序盤の展開はかなりご都合主義的で気になるけれど、一応「なぜ大家さんがそんなことを主人公に要求するのか?」というところが申し訳程度に提示される。が、1 巻ではそれほど進展がない。期待できそうではあるので 2 巻以降に期待。

また、ネタバレになるので書かないけれどちょっとした叙述トリックがあってそちらのほうが「なるほどね」感があった。目は鋭めのキャラクターが多いが、絵の雰囲気はモチモチしていてよかった。かわいい。

樋渡りん先生「冠さんの時計工房 2」★★★★☆

冠時計店を営む (ちょっとだいぶ時計オタクな) 冠綾子が主人公の作品。そもそも現代に時計店というのが一周回ってこだわりお店という感じでテーマ選びがおもしろい。時計に関連したお客さんやお隣さんとのヒューマンドラマが展開するオムニバス形式。2 巻もオタク早口な冠さんとご近所の人間ののんびりしたお話を眺める感じ。癒やし。

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冠さんの時計工房 2 (樋渡りん 秋田書店 2020 p. 2)

明確に百合漫画ではないが人物紹介には当然のごとく女性しか出てこない (作中には普通に男性も登場するにも関わらず)。人物紹介から「圧」があってよい。お隣さんの笹倉雪枝があまりにもわざとらしく冠さんの生活圏に登場するので百合の波動を感じるが特にそういう進展はない (なぜ?)。

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冠さんの時計工房 2 (樋渡りん 秋田書店 2020 p. 39)

顔はデフォルメ寄りだけれど妙に身体に質量感があるというか、「ガタイがいい」感じの絵柄ですき。

岩手を舞台にしており、いまどきそんな地域交流ある?みたいなほのぼの描写もおもしろい。このへんは同じく東北を舞台にした石塚千尋先生の「ふらいんぐうぃっち」あたりも雰囲気が近いかもしれない。トーンを用いる量が少なく、ベタとハッチングによるアナログ的な質感とメリハリのある画づくりも特徴的で、あずまきよひこ先生の「よつばと」や博先生の「明日ちゃんのセーラー服」などと似た風情がある。この描き方もわりと好き。

よつばと!(14) (電撃コミックス)

よつばと!(14) (電撃コミックス)

あらた伊里先生 「雨でも晴れでも (1)」★★★★★

名作百合コメディ 「総合タワーリシチ」 の作者であり、なかなか連載誌に恵まれないあらた伊里先生の最新作。もともと少年画報社ヤングコミックで連載していた 「とどのつまりの有頂天」 が、月刊コミック電撃大王 (KADOKAWA) へ "リニューアル移籍" した異例の作品。

「とどのつまりの有頂天」(以下「とどつま」) については、全 2 巻で "一旦完結" したことになっており、電撃大王での連載は、いわばアニメ版エヴァンゲリオンに対する "新劇場版” のような位置づけになっている。 物語の出だしやキャラクターは変わらないものの 1 巻後半から徐々にストーリーラインがオリジナルの「とどつま」からは離れてきており今後の展開が気になる。

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雨でも晴れでも 1 (あらた伊里 KADOKAWA 2020 pp. 96-97)

「雨でも晴れでも」は、とある島の全寮制女子高校に入学した京都の神社出身の主人公「山田美古都」と仏頂面で周囲と壁を作ってしまっている (がとある事情で美古都にデレデレな) 生徒会役員でヒロイン「猫崎蓮」の二人を中心とした学園モノ百合コメディ。 もともと神道系で学内に神社がある「有頂天高校」で、入学後の友達づくりに失敗した美古都は猫崎の根回しで学内の神社でひとり巫女服を着てお茶を飲む「巫女部」を設立して猫崎とのささやかな放課後を過ごしていたが、あるとき「部員が 4 人以上いないと廃部」という定番のイベントによって他の "4 人以下の部活のあぶれ者" たちと集まって謎の部活「有頂天部」を設立し、美古都のぼっち生活は一転ドタバタ百合デイズに…という王道な展開。

あらた伊里先生といえばハイテンションでコメディ寄りな展開で、最後にそれらコメディの中で描かれていた関係性を一気にシリアスに回収するというスタイルが「総合タワーリシチ」や「とどつま」でも一貫して見られたけれど、軽妙なすれ違いラブコメ展開は「雨でも晴れでも」でも健在でたのしく読める。 一方で、あとがきであらた伊里先生自身が言及している通り、"原作" である「とどつま」に比べるとコメディ要素や脇道エピソードを抑えて、物語序盤からガッツリカップリングを意識させる描写や百合的な関係性、さらには「とどつま」であまり描かれなかった "他人を避ける猫崎" の背景を物語の中心に据えていて、まさにリニュール版といった雰囲気になっている。あと「とどつま」より美古都がやや釣り目?目尻が上がってよりかわいさが強調された絵柄になった (気がする)。

「とどつま」もめちゃくちゃおもしろくてしっかり百合していて非常によかったので、さらに磨きがかかった「雨でも晴れでも」もめっちゃ期待してる。

瀬野反人先生「ヘテロギニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~(1)」★★☆☆☆

異種族の住む地にフィールドワークをしに行く異種族言語学者の卵の話。 主人公の「ハカバ」(表紙右) が、最初に立ち寄ったワーウルフの街で出会ったワーウルフと人間のハーフの「ススキ」(表紙左) と異種族の世界を旅しながらその言語や文化を学んでいく紀行モノ。

異種族言語学はこの世界では歴史の浅い学問のようで、主人公の師事している教授がほぼ権威と思われる?しかしこの教授、教授というわりにはまともな文献を残しておらず、弟子である主人公は主人公で不勉強すぎてビビって本筋に身が入らなかった。 主人公は異種族言語自体は学んでいたようである程度喋れるのだが、その一方で異種族の文化的なことに対して当初あまりに無理解で、マジでクソ教授の研究室だったのでは…というなんとも言えない気持ちに (このフィールドワークの間に学んでいくのだが…)。

ワーウルフ (狼) やリザードマン (ワニ) などが登場するが、元ネタになった動物になぞらえた発声方法や視覚の色情報の分解能によるコミュニケーションの差などが豆知識的に挿入されている。全体的にコンセプトはおもしろいと思うものの、ややパンチに欠けたかもしれない。

【追記】 いや、文化的にも言語的にも発声方法的にも大きく断絶している (たとえばワーウルフの "言語" を知らなければ音としては「ワン!」に聞こえる (それはそう)) と考えれば、「(知能の高い) 犬の言語体系をある程度明らかにした」と言えてめちゃめちゃすごいのか?主人公が参考にする教授のノートは解読が大変という描写が何度かあるが、それはちゃんとまとまってないのではなく、それだけ最先端を取り扱っているという表現だと考えれば納得がいくかもしれない…

GAGAGA 先生「トモダチヅクリ」★★☆☆☆

高校デビューに失敗した女子高生二人が出会ってなんやかんやあって仲良くなる百合作品。かなりご都合な展開も多くあまり劇的な展開もないのでタイトルと表紙でオチている感がある。2 巻で完結しているので読みやすい。

カヅホ先生「キルミーベイベー 1巻」★★★☆☆

言わずとしれたアニメ化もされた作品。アニメがめちゃくちゃ原作に忠実だったことがわかった。普通に学校に通っている暗殺者「ソーニャ」とめちゃめちゃ頑丈な体を持つ向こう見ずな「やすな」の日常系コメディ。

長月みそか先生「HR~ほーむ・るーむ~ 1巻」★★★☆☆

2006 年刊行。ポストあずまんが時代という感じの長月みそか先生の女子中学生日常 4 コマ。内容は死ぬほど平坦 (いい意味) な「そういや中学ってそういうことあったなー」という涅槃的作品。 見ての通りデフォルメされたキャラクターデザインになっていているんだけれど、その実描き込みというか画力の暴力が凄まじく、序盤のなにごともない日常パートとかを読んでさえいてもその「目触りのよさ」で読み続けられてしまうある意味怪作。 ストーリーも 1 巻後半に向けて盛り上がっていっていい意味で期待を裏切ってくれた。2 巻もたのしみ。

萩埜まこと先生 「熱帯魚は雪に焦がれる4」★★★★☆

言わずとしれた超有名百合作品。百合マンガ大賞 2017 第 2 位受賞。最新刊は 7 巻… 親の都合で東京から田舎の七浜高校へと転校してきた「天野小夏」と、七浜高校の唯一の 水族館部員 "だった" 「帆波小雪」の二人が、二人きりの水族館部員生活を通して交流する日常を描く。 「水族館部」という珍しい部活は実在しており、取材に基づいて描かれているというあたりも "ご当地もの" としておもしろい。ちなみに愛媛県大洲市がモデルだそうです。

ともかく「スピード感」がうまい。 小雪も小夏もあまり自分を見せるのが上手いタイプではなく、百合作品としてガンガンと話が進むわけではないのだけれど、気づくと結構「あれ、距離感近くない?」という感じでじれったさは全然感じない。 あと絵が非常に表情豊かでその描写だけでもたのしめる、完全に腕力で殴ってくるタイプの作品。よいです。

未幡先生 「私の百合はお仕事です!: 5」★★★★★

言わずとしれた超有名百合作品 (2)。百合マンガ大賞 2017 第 1 位。最新刊は 6 巻… 他人に愛される "ソトヅラ" を演じて玉の輿を狙う主人公「白木陽芽」が、コンセプトカフェ*1「リーベ女学園」の店長である「御子柴舞」に怪我を負わせてしまい、その穴埋めに「リーベ女学園」でバイトをすることに…というところから始まる女だらけのコンカフェドロドロ百合。なんだそれは…

シリーズとしては高い画力とやや凝った構成の、しっかりした作品。こちらも正統派に画力で殴ってくるけれど、「熱帯魚は~」に比べると精神不安定な登場人物が多く (全員?)、三角四角多角関係みたいなややこしい愛憎劇的な趣が強い。 上述の通り、コンセプトカフェ「リーベ女学園」を舞台の中心にしており、ある種の劇中劇的な物語の構造と、主要な 4 人のキャストがそれぞれにいろいろな感情を抱いているという複雑性もありつつで、1 巻はわりと説明的で読みづらいかもしれないけれどどうか 2 巻まで読んでほしい。急激に物語が進むので。1 巻で脱落してる人結構いそうだなぁと思うので惜しい作品。

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私の百合はお仕事です!: 5 (未幡 一迅社 2019 p. 40)

日用雑貨の LUSH を模したと思われる店舗が出てくるのだが、その名前が「ZSH」でその下に書いてある文言が「INTERACTIVE LOGIN SHELL」なのは完全に確信犯。未幡先生その手の仕事とかをされていたんだろうか。

ユリトラジャンプ~ウルトラジャンプ百合アンソロジー~ vol.3 ★★★★★

ウルトラジャンプで掲載された百合読み切り + 新規描き下ろしの百合アンソロジーの第 3 段。一迅社百合姫のような特化型の雑誌ではなく、ウルトラジャンプ集英社が百合アンソロジーを出しているというのが時代の変化を感じる (集英社に限らず電撃コミックスのアスキー・メディアワークス (KADOKAWA) もここ数年百合作品に力を入れすぎなぐらい力を入れ始めている)。

そしてなんといっても、毎号もともと専門誌だったのか?というぐらいどの作品も粒ぞろいで、集英社の編集部に間違いなくその筋の人間がいる or 入ったのでは?と思われる。アンソロジーコミックというのはなかなかアタリハズレというか、全部が全部刺さるということは難しいものだけれど、ユリトラジャンプは今のところすべて読後感がよいというか、大きく外した感がなく最近ではめちゃくちゃ信用を寄せている。

掲載作の中では藤近小梅先生の「ちぢんでのびる」、遠野いぬのひ先生の「HONEY, DARLIN'」、岡ぱや先生の「いっそ踏み潰して」あたりが設定を複雑にしすぎずにひたすら重い女女感情の描写に力が入っていてよかった。こぼれ話だけれど、岡ぱや先生は知り合いで薄い本も持っているので「いつのまにデビューしたんだ…」となっていた。

相崎うたう先生 「どうして私が美術科に!? 1巻」★★☆☆☆

きらら。タイトル通り「間違って美術科に入学してしまった」主人公「酒井桃音」と美術科落ちこぼれ勢のドタバタコメディ日常系百合。きらら〜って感じ。それぞれのイメージカラーと名前が対応していて覚えやすいなと思った。全 3 巻ということで取り組みやすそう。

1 巻の段階では正直上述の説明以上に特筆して説明することはない…百合としてもあまり展開させる気がない?ので、本当に素直な日常系って感じ。友人によると最後 3 巻まで読むと結構良かったらしいので今後に期待。

大槻 一翔先生 「欅姉妹の四季 1巻」★★★★★

欅姉妹の四季 1巻 (HARTA COMIX)

欅姉妹の四季 1巻 (HARTA COMIX)

一軒家を借りて過ごす欅四姉妹の日常を描くコメディ。日常系ではなく日常を描くコメディとしたのは、日常系のような学校や会社など "外" の世界を舞台とせず、家族四姉妹の自宅での生活 "のみ" を描く点でいわゆる日常系とは大きく異なるため。よくありそうで実はそんなに見かけないフォーマットなのでは?という感じがしている。

絵柄やコメディのノリ、演技が 00 年代、下手すれば 90 年代か?と思わせる雰囲気をたたえているが 2018 年刊行のかなり新しい作品。実際、線が太めでアナログな質感の筆致、ちょっと大仰な顔芸、家の中で姉妹で追いかけ合う描写など随所に 90 年代の香りを感じさせるが、背景や細部のキャラクターの描写、ストーリー展開などはなんだかんだモダンでありどちらかといえばかなりオシャレな部類の作品。Vaporwave とかそういったリバイバル系の文脈と近いのかも?

前置きが長くなったけれど、肝心の内容も個人的にはどストライクで好み。顔芸・体の動きによる演技が非常に豊かであることと、四姉妹であることがめちゃくちゃにいい。

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欅姉妹の四季 1巻 (大槻 一翔 KADOKAWA 2018 pp. 102-103)

太めな線、トーンをあまり使わずハッチング・網掛けによる陰影・テクスチャ描写、ページの縁まで使わず細かめに区切られた直交したコマ割り、目まぐるしく変わる表情、インタラクションのある動き、すべてが魅力的で気持ちいいアニメーション的に読んでいられる。

四姉妹ということでメインの登場人物は女性しかいないのだけれども、ここでは当然百合的文脈ではなく、素朴な家族愛が描かれている。それでもなお女性しかいない・四姉妹であることは非常に重要な意味を持っていて、姉妹同士には基本的に性別による差がなく、非常にフラットな「社会」が描き出されている。追いかけっ子をすればそれは性差による不均衡がない平等な状況によるもので、捕まえるなどの身体的な接触も極めてプラトニックに描かれることになっている。また、次女の「朱美」の「スタイルがよすぎて困る」というエピソードも、三女の「いずみ」による "共感" と "女性からみて美しい" という形で解消されていて、同一の属性を有する「人間」として問題解決が図られる。抽象化された「人間」関係と、家族という「明示的に意識されない」存在どうしの愛情が描かれていて、心地よい作品。

ちなみに、前述の通り四姉妹の「生活感」はかなり薄い。食事等の描写はあるものの、彼女らが家庭の外で過ごす様子は不自然なレベルで描写が省かれていて、「お隣さん」は登場するものの周辺地域の様子もほぼ描かれず、どこか白昼夢的になっている。また、四姉妹がなぜ四姉妹だけで生活しているのかも作中では一切説明されておらず、かなり作為的な状況になっている。ともすれば四姉妹の四姉妹による四姉妹の生活だけをひたすら描写するというスキームはかなり発明かもしれない。

藤近小梅先生 「好きな子がめがねを忘れた 1巻」★★★★★

上で紹介した ユリトラジャンプ vol.3 でも非常にいい短編を寄稿されていた藤近小梅先生の連載。新しい学年になり主人公小村くんの隣の席になった女の子三重さんはめちゃくちゃ目が悪くて、それなのにメガネを忘れるちょっと天然なところもあり…。困っている三重さんを助けてあげようとするヘタレ小村くんが天然三重さんに (目が見えないゆえに物理的に) 超急激に距離を詰められてふりまわされるラブコメ

ともかく三重さんがかわいい。三重さんの言葉選びも非常によい。小村くんはヘタレでもう少しがんばってほしい。小村くんに共感性羞恥も感じつつ爽やかな作品。

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好きな子がめがねを忘れた 1巻 (藤近小梅 スクウェア・エニックス 2019 p. 4)

目つきは悪ければ悪いほどよい。

和山やま先生 女の園の星(1)★★★★★

ある女子校の国語教師である星先生の日常を描くコメディ。あまり明るく社交的ではなく生徒にもそっけない態度をしがちで、同僚の「ちょっと垢抜けた雰囲気の小林先生」も邪険に扱いがちな星先生。しかし心のなかでは結構あらゆることにツッコミを入れまくるタイプで、そんな星先生の「内心ツッコミ劇場」を眺めるタイプの作品。ノリとしては「きれいなクロマティ高校」。もうめちゃくちゃにおもしろい。

読みすすめると星先生や周辺の人間への見方が結構変わる作品なのでなにも内容について言及できないけど、ややシュールなコメディが好きな人なら絶対オススメ。星先生と小林先生のカップリング描く人おるんやろなぁ…

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女の園の星(1) (和山やま 祥伝社 2020 p. 40)

なんでやろなぁ。

ばったん先生 「姉の友人」★★★★☆

姉の友人 (トーチコミックス)

姉の友人 (トーチコミックス)

中学生の「るり子」が、元 "姉の友人" でめちゃくちゃ美人な今日子と再開するところから始まる百合短編。

今日子を中心に、元恋人の妹である中学生のるり子と定期的に会う話、姉と今日子の過去の話、姉と今日子の未来の話、今日子に「初恋」をしたるり子の大学時代の話など、時間軸を前後しながら描く。なんでも持っていて、でも本当にほしい「宝物」だけは持っていない今日子がせつない。

津留崎優先生 池澤真先生 「異世界美少女受肉おじさんと(1)」★★☆☆☆

モテないらしい 32 歳男性が、幼馴染で容姿端麗優秀で主人公のことが好きな親友 (男) と異世界転生して、しかも転生先で自分が理想とした女の子の姿になっていて…という異世界転生モノ。そして完全美少女になった主人公と親友のラブコメというもうなんなんだこれは…

1 巻は話の進み方が思ったよりのんびりで上記の説明以上の内容はない感じなんだけど、ステータスはしっかり異世界転生チートっぽくなってるし、なんというかいわゆるゲームっぽい UI が当たり前のように出てきたりするし、世界をどう捉えていいのやら…という感じで異世界転生素人には大変。

TS ラブコメってのはなかなかおもしろくていいんだけど、もはや異世界転生モノというのはその「苦労せず楽して云々」みたいな欲という罪に対する罰なんじゃないかという気さえしてくる… それでも異世界転生ってレッドオーシャンに人が惹かれてしまうのはなぜなのか…

おわり

というわけで 7 月のマンガは全 19 冊でした。

*1:メイドカフェなどの何らかの設定を持ったカフェ形態の総称

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